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【安い塗装にご用心】”安い外壁・屋根塗装”には、それなりの理由がある
目次
- ○ 「安さ」が売りだけの塗装工事には要注意
- ○ 本来200万円の車が、100万円以下なわけ
- ○ 実際に行われる手抜きの手法
- ・意図していない材料のグレードダウン
- ・必要な工程を省く
- ・塗料の勝手な変更
- ・実例:施工内容が不十分
- ・訪問販売にて塗装工事をする場合
- ○ まとめ
「安さ」が売りだけの塗装工事には要注意
この度は、匠PAINTのブログを閲覧いただきありがとうございます。
この記事が皆様の暮らしのお役に立てれれば幸いです。
さて今回は、「安い塗装工事の秘密」に関してお話しさせていただこうと思います。
私たちは決して安さ=悪、というふうに考えているのではありません。
きちんとお客様が理解し、意図して行われているのであれば問題はないと考えます。
ただ、私たちが絶対に許せないのは、お客様の知らないところで行われる工事に関してです。
はっきりと申しますと、この業界。手を抜こうと思えば、いくらでも可能なのです。
故に今回は、実際に私たちが出会った手抜き工事の事例を交えながら、
なぜ安い外壁・屋根塗装には注意が必要なのかを解説させていただけたらと思います。
本来200万円の車が、100万円以下なわけ
塗装工事に置いて、金額というのは大変大きな指標となります。
金額が絶対である。と言い切ることは不可能ですが、基本的には、金額と質は比例します。
金額が低いということは、どこかで必ず質が低下しています。
例えば、本来なら新車で200万円する車が100万円以下で売り出されていると、どういった感情を抱きますか?
数万円するようなブランドの服やバックが、半額以下の値段で売られていたら?
それは時に、中古物であるから価格が下がっている、とか。
企業努力として1割、2割程度、価格を下げられたとしても、極端に金額を下げるということは不可能です。
塗装において極端に工事費が安いというは、これらと同じ現象が起こっているのです。
”本来であれば下げることが出来ないはずなのに下がっている”
これはお客様に対し、あまりにも「不透明」すぎます。
実際に行われる手抜きの手法
意図していない材料のグレードダウン
住宅の塗装に使用される塗料の種類は、主に4種類に分けられます。
【アクリル】・【シリコン/ラジカル】・【フッ素】・【無機】です。
中でも最もよく使用されるのか、【シリコン/ラジカル】系の塗料になります。
一概にシリコン/ラジカル塗料といってもその金額や性能もさまざまです。
金額は、1㎡あたりの単価が2000円〜3500円。
性能は、最上位グレードの無機やフッ素に近いものもあれば、最低限の機能しか持ち合わせていないものも。
ここで最も発生する自体としてあるのが、
お客様が意図していないグレードダウンです。
高い耐久性と費用面を重視してシリコン/ラジカル塗料を選んだ。
しかし、実際工事が終わってみるとそれほど性能の良さを感じれないといった事案がよくあります。
耐久性が高く汚れにくいシリコン/ラジカル塗料でも、
質の低いものを塗ってしまうと数年経った頃には、塗料の劣化を感じ始めることになります。
必要な工程を省く
塗装の工事における大まかな流れは、以下の通りです。
ひび割れ(クラック)などの補修→洗浄→下塗り→上塗り1回目→上塗り2回目→細部の仕上げ塗り
中でも、塗装の基本は下塗り・上塗り・上塗りの3回塗りです。
これは、塗料の性能を引き出すためには余程のことがない限り絶対に行います。
しかしお客様からすれば、私たちのように独自のカメラシステムを設置して記録として残っていないと
本当にこの工程が行われているのかが分かりません。
全ての工事工程を管理!! 匠PAINT独自のカメラシステムとは
塗料の勝手な変更
これは最も最悪な手抜き手法です。
正直、私達のようなプロであっても見抜くことは不可能に近いです。
主な手法として挙がるのが、2点。
1. 下塗り材の勝手な、または契約の段階から故意に質の悪い材料を使う。
下地材は、仕上げ用塗料を塗る前に塗られるので、ほとんど目につくことはありません。
故にいくらでも不正が可能となるわけです。例え質の低い塗料でも数年程度なら保ってしまうので、後から気づくことはほぼ不可能です。
2. 契約時に提示されていた塗料と違う塗料が塗られている。
私たちのように工事の様子がしっかり残されていたのなら絶対に起こり得ないはずなのに、起こりうるのです。
家主の目が届きにくいことをいいことに、契約時に提示していた塗料より安い塗料を塗る。
工事後に本来の空き缶の画像を見せられれば、疑うことはできないでしょう。
これらは比較的容易に行われやすいのに、それでいて気が付くことはほぼ出来ません。
実例:施工内容が不十分
これは、私たちが実際に遭遇した事例です。
雨漏りの修理依頼を受け、実際に現場に行くと施工内容が不十分と思われる箇所からの雨漏りでした。
実際に住民の方からお話を伺うと、数年前に雨漏りの修理をしたばかりだったらしく、その時も同じ場所から雨が侵入していたとのこと。
実害が生じて初めて施工不良であったと気がついた事例です。
こういった塗装・雨漏り修理の工事の場合、結果が出始めるのは、
約7年後です。
よほど手を抜いた施工をしていない場合を除くと、どんな施工不備があっても、それほどの期間は気づくことができません。
訪問販売にて塗装工事をする場合
訪問販売から塗装を行なった場合に、
施工不良・相談をしたい事例が発生した場合に、実は県外の会社による訪問販売であったがためにアフターフォローが適切に受けられないという事例がよくあります。
「お手頃価格で工事が可能です」
工事後の保証・アフターフォローのコストを抑えているがためにその価格が実現している
まとめ
今回の記事を端的にまとめさせていただくと、
ほとんどの塗装工事後の仕上がりは、金額なりの品質になる。
そしてそれをお客様が見抜く方法は、ほとんど存在しないという点です。
なぜその価格を実現できているのかその裏側に少しでも目を向けていただけるだけで、
少しずつでも手抜き工事を減らすことができるのです。
それにより私たちは、過度な低価格競争を行う必要がなくなり、きちんとした工事をお客様にご提供し続けることが可能になります。
こんな「不安」が蔓延る業界に身を置いている以上、私たちは
お客様に対し最も真摯に、「透明」に、対応させていただかないといけないと考えております。
24Hカメラシステムを始め、現場での材料開封や現場ごとでの職人さんへの教育という取り組みを行っていくことで、
一件でも多くの不良業者を減らせていければと思います。
この度は、匠PAINTのブログを閲覧いただきありがとうございます。
この記事が皆様の暮らしを少しでも良い方向へと向かわせるきっかけとなれれば幸いです。
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筆者名:西市匠
一級塗装技能士
一級樹脂接着剤注入技能士
16年以上に渡って、住宅の屋根・外壁塗装に携わってきた経験や知見をもとに、住まいや塗装に関する情報を発信しております。