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【塗料解説】「ラジカル塗料」の特徴を徹底解説!!
目次
- ○ 【塗料解説】シリコン?ラジカル?「ラジカル系塗料」の特徴を徹底解説!!
- ○ ラジカル系塗料とは?
- ・実は、あくまでアクリル樹脂系塗料やシリコン樹脂系塗料などの従来の塗料
- ○ ラジカル系塗料の特徴
- ・1. ラジカル発生抑制技術
- ・2. 長い耐候年限
- ・3. 比較的安価。それなのに高品質。
- ・4. 汚れに強い
- ・ラジカル系塗料のメリットをまとめると・・・
- ○ 使用するにあたってのデメリット
- ・1. 実績が少ない
- ・2. 塗装経験のある職人も少ない
- ・3. 配色に限りがある
- ・ラジカル塗料のメリット・デメリット・使用感
- ○ ではラジカル塗料を使用する場合の費用相場は?
- ・【設計価格】それは絶対に押さえておかないといけないキーワード
- ・価格はピンからキリ。おおよそは、3,100~3,800円/㎡
- ○ まとめ
【塗料解説】シリコン?ラジカル?「ラジカル系塗料」の特徴を徹底解説!!
今回は、匠PAINTのブログを閲覧いただきありがとうございます。
この記事が、お客様の暮らしのお役に立てれば幸いです。
さて今回は、【塗料解説】ということで、「ラジカル系塗料」の特徴から実際私たちが塗料使用感、
そもそもラジカルとは?という基礎の基礎まで、徹底解説させていただこうと思います。
家の塗装を考えているけど何から始めたらいいかわからない・・・。
実際に調べたり、提案を受けたけど、何を基準に選んだらいいかわからないという方。
そんな不安を少しでも払拭していただけたらと思います。
ラジカル系塗料とは?
まずそもそも「ラジカル系塗料」とはどういったものなのか?
ラジカル塗料の正式名称は、ラジカル制御型塗料と言い、外壁の劣化を促すラジカルの発生を抑えることができる塗料です。
ラジカルとは本来、外壁の劣化を早める物質の名前なのです。
ラジカルが発生することにより、塗料に使用されている「酸化チタン」などの化学物質の分解が進みやすくなります。
それはつまり塗料の劣化ということになります。
ラジカル発生原因としましては、酸素や紫外線、水などが顔料に接触することです。つまり、常に劣化は進んでいるというわけです。
塗料の劣化がどういったことを引き起こすのかは、別の記事で解説させていただこうと思います。
実は、あくまでアクリル樹脂系塗料やシリコン樹脂系塗料などの従来の塗料
実はこのラジカル塗料、従来のアクリル樹脂系塗料やシリコン樹脂系塗料などに特殊な成分を配合することでラジカル塗料になるのです。
なので、あくまでベースはアクリル樹脂系塗料やシリコン樹脂系塗料などの従来の塗料ということになります。
色々な塗料販売店が独自の配合を行ってこのラジカル系塗料を調合しているので、ひとえにラジカル系塗料といっても
ピンからキリ。千差万別になってきます。
ラジカル系塗料の特徴
外壁の劣化を促すラジカルの発生を抑えることができるラジカル系塗料。
実はこの塗料、比較的最近販売されるようになった塗料なので、他の塗料のいいところどりをした塗料として活躍しています。
よく比較される他の塗料と比べてどんなところが優れているのか、またどんな違いがあるのかを
4点ほどに絞ってお話ししていこうと思います。
1. ラジカル発生抑制技術
冒頭でも、お話しさせていただいた「ラジカル系塗料の最大の特徴が、このラジカル発生抑制技術になります」。
ラジカルの発生を抑制し、従来のハイグレード塗料に匹敵するほどの耐久性を発揮します。
2. 長い耐候年限
特徴その2が、長い耐候年数です。
これは、ラジカルの発生を抑制できているからこそ実現できることになります。
しかも、塗装箇所によっては、従来最高グレードとされてきた「無機系塗料」と比べても、遜色ないほどの耐候年数を誇ります。
匠PAINTがよく使用している塗料も【最大16年間】も機能を保つことができます。
3. 比較的安価。それなのに高品質。
ラジカル塗料は価格が安く、高性能であることが特徴です。コストパフォーマンスが非常に高いのです。
なぜなら、塗料に含まれる樹脂は、一般的な物と変わらないからです。
従来までは新しい機能が加わると、価格が高くなることが一般的でした。
しかし、ラジカル塗料は高性能になっても、基本的に一般的な塗料と変わらないため、価格は大きく変わりません。
コスパよく塗装をするならラジカル塗料が一番!!
4. 汚れに強い
ラジカル塗料が優れているのは、内面的な部分だけではありません。
ラジカル塗料は、塗った場所の外観を守ることも可能なのです。
どんなに機能が長持ちしても、見た目が劣化して行っては意味がありません。
防汚性・防カビ性・防藻性に優れたラジカル塗料なら、最大限効果を発揮しながら、美観も保つことができます。
ラジカル系塗料のメリットをまとめると・・・
ラジカル系塗料は、耐久性が高くて、コスパが良くて、高性能。
そんなラジカル塗料ですが、もちろん弱点となる部分も存在します。
使用するにあたってのデメリット
ラジカル塗料を使用する上での「デメリット」は主に、3点になります。
1. 実績が少ない
2. 塗装経験のある職人も少ない
3. 配色に限りがある
1. 実績が少ない
やはり新しい塗料なので、以前からある塗料と比べると実績が少ないのが実情です。
外壁塗装業者の中には「ラジカル塗料は実績がないから、本当に耐久性能が高いのかどうかわからない」とおっしゃっている方もいらっしゃいます。
2. 塗装経験のある職人も少ない
上記に関連する内容になってしまうのですが、
そもそも、ラジカル系塗料を扱ったことがないという職人さんをいらっしゃいます。
実績の少なさと職人さんの経験値が比例している状況です。
3. 配色に限りがある
ラジカル塗料を調合するにあたって、どうしても出てくる課題が【色のバリエーションが限られる】といった点です。
ラジカル塗料の主原料である酸化チタンは、 白色顔料を調色するために使用する素材ですから、濃色をつくることが難しくなっています。
なので、色見本も白を基調とするものが多くなるというデメリットがあります。
ラジカル塗料のメリット・デメリット・使用感
幾つかのメリットとデメリットを挙げてきましたが、
ラジカル塗料を使用する際の最大のメリットはやはり、安価で高品質といった点です。
私たちの使用感といたしましても、屋根に塗るには少々物足りなさを感じますが、
外壁に塗る場合であれば最もオススメできる塗料かなという印象です。
デメリットとしては、”施工実績の少なさ”かなという印象を受けます。
塗装工事の結果が出てくるのが、7年ほどと考えると実際の結果が出るのはもう少し時間がかかるのかなという感覚です。
とは言え、現在自社が請け負った工事後の定期点検にてこの塗料に関する問題が発生している事例はないです。
ではラジカル塗料を使用する場合の費用相場は?
ここまでラジカル塗料の特徴について見てきましたが、今度は
実際にラジカル塗料で塗装する場合にどれほどの費用がかかるのかご紹介させていただこうと思います。
とはいえ、一口にラジカル塗料といっても塗料販売店が販売しているものから、塗装業者が自社でオリジナルで配合しているものもあり様々です。
つまり、塗料の価格も様々ということになります。
では、どういったことに注意して価格を見て、比較すればいいのか。ここでは、その方法をご紹介します。
※余談になりますが、塗装業者が販売するオリジナル塗料は絶対にオススメしません。
その理由は、この記事を読んでいただければ何となく掴めると思います。
【設計価格】それは絶対に押さえておかないといけないキーワード
【設計価格】それは、塗装工事を行う際に絶対覚えておかないといけないキーワードになります。
このキーワードを知っているかどうかで工事にかかる費用が大きく変わることも。
では、【設計価格】とは何なのか?
【設計価格】とは、塗料などを販売する会社がこの商品を使用して工事を行う場合、これぐらいの費用は必ずかかりますといった数字になります。
例えば、1㎡あたり1000円の塗料があるとするなら、少なくとも、1㎡を塗るのに1000円はかかりますよということを表しているのです。
大手の販売店であれば、ネットで検索すれば塗料ごとの設計価格を記載しているので、詳しく知りたい方は 「塗料 設計価格」で調べてみてください。一応下記にリンクも記載しておきます。
価格はピンからキリ。おおよそは、3,100~3,800円/㎡
上でも軽く触れましたが、ピンからキリです。
お住まいの地域や塗料販売店の配合度合い、外壁用なのか屋根用なのかによって価格は変動します。
とは言え、大手の塗料販売店が提示している設計価格としましてはおおよそ3,100~3,800円/㎡。
このお値段より極端に安いまたは高い場合は、注意が必要となりますので、
実際にご提案を受けられた方は、見積り店に確認を行われることをオススメします。
まとめ
今回の結論ー
ラジカル塗料は、大変コスパのいい塗料。塗料選びに悩んだら、まず一番最初に選択肢に上がってくると思います。
とはいえ、塗料劣化の激しい屋根においては、さらに品質の高い塗料を選択することをオススメしております。
メリット・デメリットをご確認いただいた上でお客様のご希望に沿った塗料を選んでいただけたらと思います。
今回は、匠PAINTのブログをご覧いただきありがとうございました。
この記事をきっかけに皆様の暮らしが良い方向へと向くきっかけとなれたら幸いです。
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筆者名:西市匠
一級塗装技能士
一級樹脂接着剤注入技能士
16年以上に渡って、住宅の屋根・外壁塗装に携わってきた経験や知見をもとに、住まいや塗装に関する情報を発信しております。